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エンタメ界の端っこで生きる管理人が、世を騒がせる数々のエンターテイメント作品について、あれこれ考察するブログです。

24JAPANをどう観るか-獅堂は老けすぎ、朝倉は若すぎ?

10月9日から、アメリカの大ヒットドラマ「24」の日本リメイク版ドラマ「24JAPAN」が放送開始しました。

今回は、「24JAPAN」の違和感について考えてみます。

 

 

 

「24JAPAN」のターゲットは誰なのか?

 

私は本家の24も視聴済みの状態で24JAPANを観ました。

素直な感想としては、「誰に観てもらいたいんだろう?」です。

実は24JAPANは、第1話の展開としてはかなり忠実に本家であるアメリカ版24の第1話をなぞっています。

24はリアルタイムサスペンスであり、同時並行で物語が進む複雑な脚本は、必要以上の改変を許す隙がないのだと思います。

つまりは、アメリカ版24を観ている視聴者にとっては「日本版ローカライズはどう変化するんだろう?」という楽しみでしか引きつけることができないにも関わらず、その余地があまり無いといえます。

となると、アメリカ版24を観たことがない視聴者をターゲットにしているのでしょうか。

 

30代以上の海外ドラマファンはアメリカ版を観ていると仮定すると、次のホット層は国内ドラマファンの高齢者層、いわゆるF3,M3層です。

24JAPANを放送しているテレビ朝日はこの高齢者層に強いドラマを複数放送してきました。

「相棒」や、「ドクターX」「科捜研の女」などです。

24JAPANのキャスティングを考えると、この層にはリーチしそうな条件が揃っているように思います。

 

しかし、F3,M3の視聴者はアメリカ版24の大ブームを知っていると考えられます。

 

 

 

大切なのは「キャラクター」

 

アメリカ版24を観たことがない視聴者でも、「ジャック・バウアー」を知らない人というのは中々いないと思います。

当時のブームは凄まじく、ジャック・バウアーのものまね芸人であるどきどきキャンプ岸さんも、大ブレイクしていましたね。

それほど、「ジャック・バウアー」というキャラクターは世間に認知されていますし、これと比較される運命なのです。

 

24JAPANが立ち向かうのは、「ジャック・バウアー」というキャラクターそのものともいえるのです。

 

 

 

「24JAPAN」の理想的な視聴者は、「アメリカ版を見たことがなく、ジャック・バウアーを知らない高齢者世代」ということになります。

そのような視聴者がどれほどいるのか、また他の世代にどれだけ広がっていくのか…これからの展開に期待です。

 

 

 

 

 

 

 

「24JAPAN」二つの疑問-年齢-

 

 

私が24JAPANに対して抱いた違和感の中で特に大きいのが、「年齢」です。

 

まず一つ目は、主演の唐沢寿明さんの年齢。

 

主人公、獅堂現馬を演じる唐沢寿明さんは現在56歳。

実はジャック・バウアーを演じたキーファー・サザーランドは、24JAPANの元となった原作シーズン1では36歳です。(また現在のキーファーは54歳。唐沢さんより2歳若い!)

もしも今後、24JAPANのシーズン展開を見据えているとすれば、このキャスティングには違和感があります。

制作側は、24JAPANの人気が出たとしても、続編を作る気は無いということなのでしょうか。

 

ただ、戦う男ジャック・バウアーの日本版としての唐沢寿明には、意外なほど違和感がないのも事実。

これは期待できます。

 

 

 

 

そしてもう一つは、仲間由紀恵さん演じる朝倉麗。

 

仲間さんは現在40歳。

演じている朝倉麗の年齢は特に公開されていませんが、総理大臣候補となる党首の年齢が40歳だとしたら、違和感を感じざるを得ません。

日本の総理大臣の就任時の年齢を見てみると、戦後最年少の総理である安倍晋三氏も、就任時52歳。

戦前まで遡っても伊藤博文氏の44歳となります。

 

また、アメリカ版24のシーズン7に登場する、初の女性大統領テイラーを演じたチェリー・ジョーンズは当時52歳である事を考えても、朝倉麗…若すぎませんか?

 

仲間由紀恵さんは素敵な女優ですが(トリックは最高でした)、40代後半〜50代の女優でも素敵な方はいたのではないかと思います。天海祐希さんとか。

 

 

この年齢の違和感が話が進むうちに解消されるのだとしたら、その脚本に脱帽です。

 

 

 

 

 

 

さて、色々と気になる点を書いてみましたが、ドラマはまだまだ走り始めの段階であることも事実。

脚本がアメリカ版をほぼそのまま踏襲するのだとすれば、シナリオ自体は面白いこと間違いなしなので、あとは舞台を日本にしたこと、今の日本の現状をどれほど盛り込めるのか、それをどう料理するのか、期待したい部分もまだまだあります。

 

この半年間、楽しみですね。