エンタメの辺境から中心地を観測するブログ-Watching entertainment movement!

エンタメ界の端っこで生きる管理人が、世を騒がせる数々のエンターテイメント作品について、あれこれ考察するブログです。

「LEON」からキャラクターの描き方を考える

こんにちは。

 

 

 

1994年公開の映画「LEON」を、今さら観ました。

 

 

 

いやぁ〜面白いですねえ。

殺し屋と少女の危険な純愛という表向きのフックとは裏腹に、痴話喧嘩だったり、リアクションが面白い日常ものとしての側面も強い。

そして登場人物がみんな変。

不思議な感触の、でもずっと目を離せない映画でした。

 

 

 

「LEON」の面白いところは、銃撃戦云々よりも、それぞれの人物の描き方なんじゃないかと思う今日この頃です。

 

私はどちらかというと他人に興味がないタイプの人間なのですが(笑)、そんな私ですら思わず突っ込まずにはいられない人たちがいっぱいですね。

人の暮らしを覗くことが面白いなんて、普段の生活では絶対に思わないのですが。

 

 

まずは主人公、レオン。

 

依頼された仕事は完璧にこなすかたわら、日常に戻れば酒も飲まずに毎日牛乳ばかり飲み、植木鉢をひたすら愛でる毎日。

しかもルーティーンが好きなのかな?同じ日々を繰り返すことを苦にしないタイプのようですね。

人を殺すことは刺激的だから、それ以外の刺激はいらないということなんでしょうか?

そしてとにかくマチルダに振り回される。女性に対する免疫がない。

この辺りは劇中で理由が語られてましたが。

というか、レオンの人物像は過去のエピソードを聞くとほぼ全て理屈が通るので、人間性としては意外とコンパクトにまとまってますね。

 

ジャン・レノのぽかんとしたときの表情は最高ですよね。

 

 

そしてヒロイン、マチルダ

 

年齢の割に大人びた言動の多い少女。

でもそれはそうならざるを得なかったからかも・・・。

複雑な家庭環境のせいで「自分は死んだ」と皮肉をいうシニカルさや、タバコに手を出していること。

と思いきや、レオンといるときには彼を振り回すことの多い印象。天真爛漫というか。

これが彼女の本来の姿なんだろうなあ。

お使いに行くときの歩き方、とっても軽やかですよね〜。

 

本来なら親の庇護下にいるしかない「年齢」という現実に抗うキャラクターは実に魅力的です。

そのためなら命を捨てても構わない。「愛か、命か」

少女であり、(背伸びした)女性でもあり、向こう見ずな若者でもある。

 

まさに主人公の属性を併せ持つようなキャラクターですね。

 

しかしこの「レオン」は、「ロリータ」と並んで映画ファンにロリコンを増やした一因の映画でしょうね。きっと。

 

私はバリバリの年上好きですが、マチルダはどう考えたって魅力的です。

私は「スター・ウォーズ」ファンなので、ナタリー・ポートマンの印象といえばパドメ・アミダラ女王なんですよね。凛々しくて強い女性のイメージ。

大人のナタリー(パドメ)にはエロスを感じないのに、子供のナタリー(マチルダ)にはエロスを感じちゃう。

 

チルダがレオンを誘惑する姿は僕を混乱に陥れましたね。

チルダは子供!子供!

谷間を見ようとしちゃダメダメ!

 

新たな何かが目覚めそうな、恐ろしい映画でもあります。むしろ最後の最後まで我慢したレオン、よくやった。

 

のちにナタリー・ポートマンはインタビューで「まだ子供の私が性的視線で見られていることには気づいていた。だからこそまじめで、尊敬される女性になろうと思った。そうすれば性的な目線で見られないから」と語っています。

 

ごめんなさい。

 

 

あれ、こうやって一つずつ詰めていくと、意外とロジカルにキャラクターが構築されている気がしなくもない。

理屈では割り切れない行動をしてしまうのもまた人間なんですけど、「レオン」の登場人物たちは結構自分のルールに沿って動いてますね。

多分そういう人は強烈な行動の動機が必要なんだろうな…。目的があるからこそ、突き進める。それゆえの危うさもある。

 

 

僕はそういうタイプの人間が好きなのかな。

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。