エンタメの辺境から中心地を観測するブログ-Watching entertainment movement!

エンタメ界の端っこで生きる管理人が、世を騒がせる数々のエンターテイメント作品について、あれこれ考察するブログです。

「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」はどう着地するか?物語構造から考察する【ネタバレなし】

こんにちは。

 

12月20日スター・ウォーズエピソード9にあたる「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」がついに公開されます。

 

長年にわたって私達を楽しませてくれたシリーズの完結編とあって、楽しみにしている方も多いと思います。

一ファンである私も、楽しみにしているところです。

 

 

しかし、正直な想いを言えば、不安もないわけではない。

 

新シリーズは3作とも別の監督が担当すると発表されたこと。(結果的には7と9はJ・J・エイブラムスが担当することになりましたが)

マーク・ハミルが新しい脚本でのルークのキャラクターについて疑問を呈していたこと。

創始者ジョージ・ルーカスのシナリオ案はディズニーによって却下されたこと。

そして、「最後のジェダイ」での脚本の放り投げられ具合…。(ちなみに私は「最後のジェダイ」否定派です)

 

 

 

いや、不安ばっかりだな。

 

とはいえ、これまでのSW全作品を観ている私としては、「スカイウォーカーの夜明け」を観ないという選択肢はないのです。

 

 

 

ということで、「スカイウォーカーの夜明け」がどのような決着をみるのか、これまでのスターウォーズの構造から予測してみたいと思います。

 

 

 

目次 

 

 

 

 

スター・ウォーズは同じ道を辿る

 

スター・ウォーズは4,5,6のルーク3部作、1,2,3のアナキン3部作、そして7,8,9のレイ3部作の3つに分かれています。

 

ルーク3部作とアナキン3部作は、基本的に同じ構造のストーリーで描かれています。

 

これは、時系列を遡って制作するという都合からアナキン三部作の結末はアナキンがダース・ベイダーに変身するということがすでに観客には分かっていたからで、なぜそうなったかを見せるにはアナキンとルークを対比させるのが一番いいと考えたためでしょう。

 

結果的にアナキンは暗黒面に堕ち、ルークは誘惑に負けずにダース・ベイダーを救うという展開になりました。

レイはいくつかの点でアナキン、ルークとは違うキャラクター性を持っていますが、これまでの展開は似通った部分を多く持っていることも事実です。

 

これまでの類似点

 

・突然の来訪者による冒険の幕開け

アナキンにとってのパドメ一行、ルークにとってのレイア、レイにとってのフィン

・親の不在

アナキン、ルーク、レイは皆、親がいない

・初陣で能力が開花する(フォースの目覚め)

アナキンは敵の宇宙要塞を撃破する。ルークはデス・スターを破壊する。レイはカイロ・レンを撃退する。

・最初の師との別れ

アナキンはクワイ=ガンを、ルークはオビワンを、レイはハン・ソロをそれぞれ亡くしている。

・敵の反攻

シリーズ2作目では冒頭から避難、逃走を強いられることになる。

・恋

ルークとアナキンは姫に恋心を抱く。レイは敵であるカイロ・レンに惹かれる。

・苦悩の根源を知る

アナキンは、母シミの死を止められなかった事

ルークは、ダース・ベイダーが父だと知った事

レイは、自分の親は何者でもなく、戻ってくることはないという事

 

 

 

これらが旧作との主な類似点になります。

一つ一つ見ていくと、レイ三部作もこれまでのSWシリーズの構成をかなりなぞっていることがわかります。

 

 

この構造を利用して、レイ3部作の展開を予想することができそうです。

 

 

 

 

 

旧作との相違点

 

ですが、これまでの構造とは違う点もいくつか見られます。

 

・レイはスカイウォーカー家の人間ではないこと。むしろカイロ・レン(ベン・ソロ)がスカイウォーカーの血を引いていること。

 最新作のタイトルが「スカイウォーカーの夜明け(原題:Rise of Skywalker)である事を考えると、当然、カイロ・レンが物語に占める割合は増えると思われます。

 

・ディズニー側が、前シリーズの繰り返しを避けたいと考えているであろうこと。

そもそも論ですが、これまでの主人公が男性であったのに対してレイは女性である点。

これはおそらくハリウッド映画界全体の流れの影響をスター・ウォーズでも受けているということでしょう。プロデューサー達は世論の流れを考慮して主人公を女性にしたのかもしれませんが、物語構造上では小さくない変化を余儀なくされています。

それは、友情の延長としての恋愛が起こらない事です。

ジェダイは、特定のものに執着してしまうと暗黒面へと揺さぶられやすくなるという特性があります(エピソード3でのヨーダの発言)。そのため基本的にジェダイは恋愛を禁じられているのです。

しかしドラマ構成上、アナキンもルークもこれを破っています(ルークはジェダイの掟を知らないはずですが)。二人とも恋愛をすることにより弱点が生まれてしまい、暗黒面に付け入られる隙を作っているのです。

しかし今シリーズではレイは仲間であるポー、フィンとは恋に落ちません。

それどころか敵であるカイロ・レンに惹かれている様子すら見せています。

シリーズ三作目では愛する人を守るために暗黒面へ落ちるのかという展開が描かれるはずなので、この点は大きく影響すると考えられます。

 

・シリーズ2作目のエンディングで右腕を負傷しない

アナキンはドゥークー伯爵に、ルークはダース・ベイダーに右腕を切られています。

人は負傷すると心が弱り、助けを求めてしまうもの。

この負傷を一つのきっかけとして、アナキンとルークはヒロインとの絆を深めていくことになります。

しかしレイは負傷することはありませんでした。

そのためレイは「最後のジェダイ」の終盤でも元気な姿を見せています。

そのため、シリーズ2作目終了時点での主人公たちの心情としてはレイだけが一人浮いている状態にあるのです。

 

・「師との別れ」が発生するタイミングが違う

物語終盤で、それぞれの主人公は自分を鍛えてくれた師匠と別れることになります。

オビ=ワンは「シスの復讐」でクローン戦争の遠征のため、アナキンと別行動を取ることになる。

ジェダイの帰還」にて、ルークの師ヨーダは寿命で死ぬ。

レイの師ルークは、レジスタンスを救うためフォースの霊体をカイロ・レンの元に送り込み、力尽きる。

師との別れが起きている、という点では同じなのですが、アナキンとルークはこの時点ですでに一人前のジェダイに成長しているのに対し、レイはルークからの修行を終えていません。

ですがレイはすでに、カイロ・レンと互角の力を備えているのです。

 

これは似ているようですが全く違います。

教えを受けていないのに力だけを持っている状態というのは、免許を持たずに車を運転しているのと同じこと。

レイの心には、驕りが生まれている可能性があります。

 

 

 

 

ここから導き出される「スカイウォーカーの夜明け」の展開でもっとも考えられることとは…

 

 

 

 

 

レイは、暗黒面に転向する。そしてそれをカイロ・レンが救い出す、こと!

 

 

 

 

 

 

それをふまえて、エピソード9の展開を予想してみたいと思います。

 

「スカイウォーカーの夜明け」はこうなる!

シリーズ三作目でこれまで描かれてきた展開は、このようなものになります。

 

ジェダイとして成長し、友の窮地を救う

・姫君の秘密を知る

・師との別れ

・敵の標的となる

・敵の前で武器を収める

愛する人を守るために、誘惑にさらされる

 

これをもとに、「スカイウォーカーの夜明け」の展開を予想してみましょう。

 

 

 

 

ファースト・オーダーは指導者を失っている。そこに、フォースの霊体となったパルパティーンが現れる。

カイロ・レンは、父であるハン・ソロを殺した事を後悔しているとレイに打ち明ける。

カイロ・レンはファースト・オーダーから抜けたがっているが、そこにパルパティーンが現れて、身動きが取れなくなる。

レイは、カイロ・レンを暗黒面から引き戻す決意をする。

レイアは改めてレジスタンスを再興するため、別の星系に旅立つことになる。レイと決意を確かめあい、二人は別れる。

パルパティーン銀河帝国再興のため、もしくは自分の肉体を取り戻すために、強いフォースを持つ存在であるレイを求める。

レイは、カイロ・レンを暗黒面から引き戻すために敵の本拠地へ向かう。霊体のパルパティーンと対話する。

レイは、自分の存在価値の希薄さをつけ込まれ、パルパティーンに取り込まれてしまう。レイが暗黒面の手先となり、カイロ・レンはレイを救うため、パルパティーン(レイ)と対決することになる。

カイロ・レンは、ダークサイドに取り込まれたレイを救うことができるのか?

 

 

……と、このような展開になるのではないかと。

 

 

 

 

まとめ

レイが暗黒面に転向するという予測を立ててみましたが、愛するカイロ・レン(ベン・ソロ)を暗黒面から救うはずが、逆に暗黒面へと落ちてしまう。

こういう展開は今までになかったし、けれど不自然ではない。スター・ウォーズらしい展開とも言えます。

カイロ・レンはスカイウォーカー家の宿命として、シスを倒す存在であるということです。これで「スカイウォーカーの夜明け」というタイトルの伏線回収もできましたね。

 

 

とはいえ、スター・ウォーズはあまりあれこれ考えずに観るのが一番楽しいと思います!

私もここに書いた予測は全部忘れて、見たものをすべて受け入れるつもりで楽しもうと思っています。

この予想が当たっていたかどうかは、見終わってから改めて考えることにしようと思っています。

 

「スカイウォーカーの夜明け」を観る前にこの記事を読んだあなたも、観たあとで読んだあなたにも、フォースが共にありますように!

 

2019.12.18

 

 

 

 

 

 

 

 

p.s.ライトセーバーを扱うフィンしかり、フォースに目覚める奴隷の子供しかり、レイ三部作の裏テーマって「フォースは皆の中にある」だと思うんですけど、結局スカイウォーカー家が解決しちゃうのは大丈夫なんですかね?(書き終わってから気付いた)

この予想、当たっても外れても、複雑な気分になりそうです。笑